最近興味深い記事が新聞にありました。
女性ホルモンであるエストロゲンの働きを持つエクオールが閉経後の指の痛み、腫れに効き変形を予防するとの事なのです。
また別の文献では指のこわばり、手の甲のしわや血管が浮き出てくる現象もエストロゲン低下と関係しているとの事でした。

今まで大豆イソフラボンから産出されるエクオールが更年期症状の改善や美肌目的等に効果があるのは知っていましたが。

確かに外来でそのような手の痛みを相談される方や手指末端の腫れや変形(へバーデン結節とよばれます)の初期症状の方は多く、年齢的なものですね。よく畑で手を使っているからでしょう。様子をみてくださいね。と今までは伝えてきてました。。。
手のこわばりで来院される方にもリウマチ等の膠原病の検査で問題なさそうですので様子をみてくださいね。と伝えていたのみでした。。。

さてエクオールですが大豆イソフラボンの1つであるダイゼインが腸内細菌で分解されることにより生まれます。
エクオールとはエストロゲンに似た構造で、女性ホルモン様作用を持っています。エストロゲンはそれ自体では働くことはないのですが、受け皿となるレセプターにくっつくことで力を発揮します。
その受け皿が子宮や乳腺のみではなく関節や関節周囲の関節包と滑膜、腱、靭帯等にあるとのことなのでエストロゲンが不足すると手指の症状が出るのも納得ですね。

また予防に大豆イソフラボンをたくさん摂ったらよいと思いきや、アジア人の5割はエクオールを産出する腸内細菌を持っていないということなのです。
この場合大豆や納豆をたくさん食べてもエストロゲン作用効果の期待は薄く、製剤でエクオールを摂ることが必要になってきます。
自分がエクオールをつくれるかどうかは販売されている尿のキットにて簡単にわかります。
当院にも取り扱いしておりますのでお気軽にご相談ください。
(同じ記事を偶然読まれた方々より尿検査のご希望があり、あわてて取り扱いを開始したのでした。。)