高血圧について
- 高血圧とは
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高血圧とは血圧が慢性的に高い状態であり、常に血管に負担がかかっているため動脈硬化の原因となります。
日本では高血圧人口は4000万人を超えており頻度の高い疾患です。
- 2019年4月に高血圧症治療ガイドラインが5年ぶりに改定され、降圧目標が引き下げられることとなりました。
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降圧目標(診察室血圧)
対象 目標数値 75歳未満
冠動脈疾患
脳血管障害
糖尿病・慢性腎臓病(尿蛋白陽性)140/90mmHgから
130/80mmHg未満へ変更
140/90mmHg未満
130/80mmHg未満75歳以上の高齢者 150/90mmHgから
140/90mmHg未満へ変更
このガイドラインでは130/80mmHg以上の血圧が高めの時期からより多くの人に生活習慣改善に取り組んでいただくのが目的となっています。
高血圧は初期には自覚症状が無い事が多く、気づかぬうちに心臓・腎臓病や脳卒中などの発症原因となるため注意が必要です。
「健康診断で高血圧を指摘された」「日々の血圧が高め」等ありましたら早めにご相談ください。
- 高血圧の原因
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高血圧の方の約90%の方が生活習慣(過剰な塩分摂取、肥満、運動不足、野菜不足、果物不足、喫煙、精神的ストレス)や遺伝的素因が関係しているといわれています。
その他の原因としてホルモンの病気や睡眠時無呼吸症候群、薬剤等による高血圧があり二次性高血圧症と呼ばれます。
「甲状腺」「腎臓」や腎臓の上にある小さな臓器「副腎」は血圧調整ホルモンが分泌されるため甲状腺機能亢進症、腎臓疾患(腎実質性高血圧、腎動脈狭窄症)、副腎疾患(原発性アルドステロン症、褐色細胞腫)等で高血圧が起こります。
- 高血圧の診断・検査
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高血圧症の診断の際、以下のような目的で検査を施行することがあります。
高血圧は進展すると心臓、腎臓、脳血管等に合併症を起こすため下記の検査を必要に応じ行います。- 胸部レントゲン
- 心電図
- 血液検査(生活習慣病評価や二次性高血圧症のホルモン検査)
- 動脈硬化を見る検査(頸動脈エコー、ABI:下肢動脈硬化検査)
- 治療
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高血圧症の方は以下の生活習慣に気を付けることが大切です。
- 食事(減塩、野菜・果物・魚の摂取)
- 運動(有酸素運動)
- 適正体重の維持
- 節酒
- 禁煙
生活習慣の見直しで改善しない場合や血圧値、背景によっては降圧薬が必要となります。
降圧薬の種類・量は患者様に応じて選択します。
降圧は脳や心臓、腎臓など臓器を保護する役割があります。