私(田原)

先日は上肢痙縮の方のボトックス治療の日でした。

痙縮とは?

痙縮とは脳卒中をはじめとした脳や脊髄の病気で筋肉がこわばり、動かしづらくなる状態の事をいいます。
痙縮がおきると手は握ったままで手首、肩や肘の関節は伸ばしにくくなり日常生活に支障が出ます。
こわばる事で痛みが生じる方もいらっしゃいます。
患者様は「少しでも手が使えるようになりたい」、ご家族からは「爪がきれない、着替えの時袖に手が通しにくいので少しでも伸びるようになれば」とのお声があります。

ボトックスとは?

ボトックスとは筋肉を緊張させている神経の働きを抑える作用がある蛋白製剤ボツリヌスの商品名です。
当院では今回のような上肢痙縮の他、瞼や顔面の痙攣に対しボトックス治療 を行っています。美容の分野では表情筋注射でしわを取ることでおなじみですね。

痙縮の治療

痙縮の治療では固くなった筋肉に少量のボトックスを注射し、動かしやすくしたり痛みを改善させたりします。
注射する筋肉を定める時は手を動かしていただき(またはスタッフや私が動かし)筋肉の動きを指で触れていきます。
深くて触れにくい筋肉はエコーをあてて動きを確認します。

治療風景の写真
治療風景です。
細い針で2cc程の注射ですので強い痛みを訴える方はいらっしゃらないですが、ご希望の際は痛みを取るための処置を行う事も可能です。
また効果を出すためにはボトックスで筋肉をやわらかくした後で自主トレのストレッチやリハビリテーションを行う事が重要なポイントとなってきます。治療後はご家庭で行っていただくストレッチについてお話します。

先日の患者様は3回目の治療の方でした。今回は患者様の承諾を得てGSK(グラクソスミスクライン=ボトックスのメーカー)専属の指導員の立ち合いの元注射を行いました。指導員の方は医師、理学療法士の方で構成されています。注射部位や投与量、薬液濃度、痛みを最小限に抑えるちょっとしたテクニックを直接訊けてとても有意義な時間でした。

この患者様はこれまでの治療でハンドルに添えている手が少し握れるようになったと話してくださいました。前向きでフットワークが軽い方でリハビリも意欲的にとりくまれています。そのような患者様に希望を持っていただくよう日々私も経験を積んで努力しなくては。と常に思っています。

近江八幡駅のクリスマスイルミネーション取り付け作業写真
近江八幡駅ではクリスマスイルミネーションの取り付け作業をしていました。
この時期一気に街がクリスマス色にそまっていきます。
いつも元気な80代の患者様に手作りのハーバリウムをいただいた写真
いつも元気な80代の患者様に手作りのハーバリウムをいただきました。
かわいいですね。